■国庫補助負担金に関する改革案(T)
地方分権がはらむ危険性(H16.10.20)
中央集権から地方分権への流れは、平成5年に衆参両院が全会一致で、「地方分権推進決議」をおこない、平成12年に国と地方を対等にする「地方分権一括法」が施行されてからも、中央省庁の抵抗が続き遅々として進みませんでした。小泉政権下において地方分権への流れが一挙に強まりました。
現在の地方行政は、国からの補助金などで施策を細かく縛られ、独自性をほとんど打ち出せないのが実情で補助金には全額補助がほとんどありません。大半が地方に応分の負担を求めるため、補助金が増えるほど地方の借金が膨らむ悪循環です。「地方債務」が199兆円に膨らんだ原因の大部分は補助金行政にあるといわれています。そこで補助金を削減し、代わりに税源を国から地方に移譲。合わせて国から地方に配分される地方交付税を見なおす。この3つを同時に進める事で「地方独自の裁量」で「地域の実情に合った施策」を進め、「地域活性化」と「財政再建」を進めるのが三位一体の趣旨です。
この国と地方の税源制度を見なおす「三位一体改革」のなかで、公立小中学校の教職員給与の半分を国が持つ義務教育費国庫負担金のうち、中学校分の約8500億円を廃止することの是非を巡って激しい論議がされています。
文科省は国庫負担金の廃止に反対する一方で、教員採用や人事権、6・3制の弾力化などを地方自治体に権限移譲しようとしています。機会均等、学力の水準確保、無償制の義務教育の根幹は責任を持って支えると言っていますが、地方教委に権限を全て移譲して責任を負うことができるのか疑問が残ります。文科省と地方教委が対等であれば、文科省の指導を拒否されることもあり得ます。教育は国家の根幹にかかわるものであり、内閣が地方教委へ命令できる権限を担保する法律が必要です。(現在、教員給与の1/2を国、1/2を県が負担)
今まで地方の実情を無視した大規模な公共工事など、中央一元支配の下で恩典を受けるところもありましたが、これからは国依存の行政から脱却し自主的、自立的な運営をしなければなリません。人件費の抑制などから住民サービスの削減も予想されます。既に受益者負担を掲げ、有料化も進んでいるところもあります。。
今後自治体が住民の知恵を集め、住民の協力の下で効率的な運営をするだけでなく、地方の特性を活かして活力ある社会、そして豊な文化を築く能力が問われる時代になります。
同時に住民も、行政に依存し、受益者の立場にとどまるのではなく、町作りや防災、防犯など住民ができる事を住民自らの手で行い、負担と責任を負わねばならなくなります。